設立趣意書
岡山県では、県内の精密生産技術分野の企業集積を活かし、大学などの知的資源との融合を図りながら、技術の高度化や高付加価値なものづくりを永続的に進め、新事業の創出や世界への情報発信などを行うことにより、「ミクロものづくり産業クラスター」の形成を目指す戦略的事業である「ミクロものづくり岡山創成事業」が推進されています。
この「ミクロものづくり岡山創成事業」の中核研究開発プロジェクトとして、文部科学省の都市エリア産学官連携促進事業により、「一般型」から「発展型」へと6年間にわたって、岡山独自のマイクロリアクターを創出すべく研究開発が行われ、特に平成17年度から取り組んできた「発展型」においては、精密微細加工技術をベースに、化学プロセスとマイクロアクチュエータ技術の融合により、能動的な動作機構を組み込んだ「マイクロ反応プロセス構築のためのアクティブマイクロリアクター(=岡山発!マイクロリアクター)」の開発と高付加価値化成品の製造プロセスへの適用を目指してきました。
事業満了を迎えての現状をみると、各テーマ研究はほぼ初期の目標を達成するとともに、生産プロセスに適用するための可能性試験研究を委託した企業や研究所の中にも、良好な試用結果を得て、実用技術として重要視しているところも出てきています。また、その他の多くの企業や研究所からも実用化を前提とした有望なコンタクトが増加しており、各方面で研究開発が進んでいることが窺われます。
マイクロリアクターによる高効率な化学反応プロセスの構築は新たな分野であり、未だ市場が形成されるというところまでは至っていませんが、近年、産学での研究開発は一段と進み、有望な実用化分野としての期待が高まっていることは間違いありません。 このような状況の中で、これまでに培った研究者、企業及び行政等公的機関のネットワークをさらに発展させ、「岡山発!マイクロリアクター」の事業化に向けた新たなネットワークを設立すべしとの気運が盛り上がってまいりました。
本ネットワークが、関係者・関係機関に対する窓口となり、実用化、市場開拓のためのコーディネート機能を果たすことによって、マイクロリアクターを活用した革新的な生産プロセスを加速的に各分野に波及させていくことができると考えており、このことが岡山のポテンシャルを発揮し、ひいては「ミクロものづくり産業クラスター」の形成に資することになると確信するものです。 以上のことから、「岡山マイクロリアクターネット」を設立し、関係者の連携に力を注ぎたいと思います。 皆様のご参加とご支援を是非ともよろしくお願いいたします。