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第1回ソフトマター工学分科会講演会・会員総会

 2016年7月22日(金)に東洋大学白山キャンパス2号館16階スカイホールにて第1回ソフトマター工学分科会講演会および会員総会を開催しました。
 短い講演時間ではありましたが5名の先生方に幅広いジャンルのご講演をいただき、学生5名を含む27名の参加者は熱心に耳を傾けていました。また,質疑応答では様々な専門分野からの質問がなされ,活発な議論が行われました。

1.Sakai  信州大学の酒井俊郎氏より「サーファクタントフリーエマルション〜エマルションの本当の姿に迫る〜」と題した講演が行われました。
 乳化剤無しでエマルションを長期間安定化させる技術についての研究が紹介され,議論が行われました。従来の油と水は混ざり合わないという先入観を捨てた「油と水は混合可能」という新しい考え方が提案されました。
2.Nishimura  金沢大学の西村達也氏より「バイオミネラリゼーションに学ぶ次世代有機/無機融合材料の開発」と題した講演が行われました。
 自然界に存在する高機能な有機/無機複合体(バイオミネラル)の形成機構を学び,そのエッセンスを新しい機能性材料の開発に応用するという研究の一例として,真珠層の形成機構を模倣した炭酸カルシウム薄膜結晶の作製に関する研究が紹介されました。用いる水溶性酸性高分子の組み合わせを変えることで様々な結晶多形や結晶配向を自在に制御できることが報告されました。
3.Ono  会員研究紹介として,本会代表である岡山大学の小野努氏より「単分散液滴内晶析挙動から核生成を考える」と題した研究紹介が行われました。
 マイクロ流体デバイスで調製された単分散液滴内でのリゾチームの晶析現象を解析することで,リゾチーム結晶の核生成速度を算出できることが報告されました。
4.Mori  メビオール株式会社代表取締役社長の森有一氏より「ハイドロゲル膜を活用した持続可能な農業」と題した講演が行われました。
 土壌の代わりにハイドロゲル膜を用いる新たな農業の提案とその実用化事例の紹介が行われました。この手法により,砂漠地域においても良質なトマトが簡便に栽培可能となったことが報告されました。
5.Iwata  株式会社東陽テクニカの岩田氏より「最新の計測機器の紹介」と題した講演が行われました。
 低加速FE-SEMおよび走査型プローブ顕微鏡を用いた表面形状観察技術と特性評価法の紹介が行われました。また,ナノインデンターを用いることでサブミクロン厚の薄膜の硬度・ヤング率評価が可能であることが紹介されました。
6.Dinner  交流会もたくさんの方にご参加いただき, 様々な意見交換が行われました。